相場の数字は、有料サービスに入らなくても発信元の公式サイト(一次情報)で無料で追えます。株価指数や売買代金なら日本取引所グループ(JPX)と日経平均プロフィル、金融政策と為替なら日本銀行と米FRB、企業の発表ならTDnetとEDINETが、それぞれの「本家」です。この記事では、どのサイトで何が見られるか、どこが公式なのかを一覧表にまとめ、使い方のポイントを初心者向けに説明します。当ブログの「大引けふりかえり」も、ここで紹介する一次情報をもとに書いています。

なぜ「一次情報」で見るのか#

一次情報とは、数字や文書を最初に発表している発信元そのものの情報です。たとえば日経平均株価の公式値は算出元である日本経済新聞社が、東証の売買代金や統計は取引所であるJPXが、金融政策の決定内容は日本銀行が公表しています。

ニュースサイトやまとめ記事はこれらを引用して書かれているため、転記ミスや更新の遅れが混じることがあります。相場の記録をつけたり、ある日に何が起きたかを後から確かめたりするときは、発信元に直接あたるのが一番確実です。しかも、この記事で紹介するサイトは、基本的な情報であれば会員登録なし・無料で閲覧できます。

一次情報サイト一覧表#

まず全体像です。それぞれの詳しい使い方は、このあとの見出しで説明します。

サイト発行元(公式)主に見られるもの
JPX マーケット情報日本取引所グループ株式・債券市況、売買代金ランキング、月間相場表、東証日報、統計月報、TOPIXや東証業種別株価指数などの指数値
日経平均プロフィル日本経済新聞社日経平均株価の公式値、構成銘柄、算出要領、日次・月次データ(CSV)、除数の変更情報
日本銀行日本銀行金融政策決定会合の日程・公表文・議事要旨、展望レポート、外国為替市況(日次)、各種統計
FRB(米連邦準備制度理事会)Federal Reserve BoardFOMCの日程・声明・議事要旨、経済予測、プレスリリース、経済データ
適時開示情報閲覧サービス(TDnet)東京証券取引所上場会社の決算短信や業績修正など適時開示資料(開示日を含めて31日分)
EDINET金融庁有価証券報告書、有価証券届出書、大量保有報告書などの法定開示書類
証券会社の取引ツール・アプリ各証券会社株価、ニュース、会社四季報、ランキングなど(口座保有者向け、内容は各社で異なる)

株価・指数を追う:JPXと日経平均プロフィル#

JPXの「マーケット情報」#

JPX(日本取引所グループ)の公式サイトにある「マーケット情報」は、東証に関する数字の本家です。株式関連のメニューには「株式・債券市況」「売買代金ランキング」「売買高・売買代金等」「信用取引に関する日々公表」「空売り規制に関する情報」などが並んでいます。

日々の統計を追うなら「東京証券取引所日報」が便利です。日付ごとに「概算・精算表」「株式相場表」「債券相場表」が掲載され、バックナンバーも月単位でさかのぼれます。月単位の数字は「統計月報」にまとまっており、株式売買高・売買代金、株価指数・株価平均、PER・PBR、投資部門別売買状況などの資料が、毎月21日の午前9時以降に前月分として公開されます。個別銘柄の月間の四本値や売買高は「月間相場表」で確認できます。

株価指数については「株価指数ラインナップ」のページに、TOPIX(東証株価指数)、東証規模別株価指数、東証業種別株価指数・TOPIX-17シリーズ、東証市場別指数などが整理されており、それぞれの指数値一覧や算出要領へのリンクがあります。業種ごとの値動きを見たいときは、ここから東証業種別株価指数をたどります。指数の読み方は「東証33業種別指数とは」で解説しています。

日経平均プロフィル#

日経平均株価の公式値は、JPXではなく算出元の日本経済新聞社が運営する「日経平均プロフィル」で公開されています。指数情報のページには、東証プライム市場に上場する225銘柄から選定されること、銘柄入れ替えが年2回(4月初、10月初)であること、計算頻度がリアルタイム(5秒間隔)であること、公表開始日が1950年9月7日であることなどが明記されています。

関連データとして、構成銘柄一覧、日次データ・月次データ(CSV)、算出要領、ファクトシート、株価換算係数一覧などがダウンロードできます。トップページの「ニュース&リリース」には、除数の変更や銘柄入れ替えのお知らせが日付つきで並ぶので、「今日の日経平均の動きは銘柄入れ替えの影響か」といった確認にも使えます。日経平均とTOPIXは算出元も計算方法も違うので、両方を追うときは発行元を分けて見てください。詳しくは「日経平均とTOPIXの違い」をご覧ください。

金融政策・為替を追う:日本銀行とFRB#

日本銀行#

日本銀行の公式サイトでは、トップページから「金融政策」「統計」などのメニューに進めます。金融政策決定会合のページには、会合の開催日程、会合後に出る「金融市場調節方針に関する公表文」、議事要旨、「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」、「主な意見」が一覧形式で掲載されています。会合の結果を速報で知るだけでなく、後日公表される議事要旨で議論の中身を確認できるのが一次情報の強みです。会合が株式市場にどう関わるかは「日銀金融政策決定会合とは」で整理しています。

為替については、統計メニューの「外国為替市況(日次)」で、ドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円のスポット・レート(9時時点と17時時点)が毎営業日の営業時間終了後に公表されています。直近70営業日分が一覧で見られ、それ以前は時系列統計データ検索サイトで取得できます。トップページには無担保コールO/N物レートや基準貸付利率も表示されています。

FRB(米連邦準備制度理事会)#

米国の金融政策は、FRBの公式サイト「Monetary Policy」セクションで追えます。FOMC(連邦公開市場委員会)のカレンダーページには、年8回の定例会合の日程と、各会合後の声明(statement)、議事要旨(minutes、通常は政策決定の3週間後に公開)、一部の会合で公表される経済予測(Summary of Economic Projections)、議長の記者会見へのリンクがまとまっています。英語のサイトですが、日程と声明の有無を確認するだけなら難しくありません。

企業の発表を追う:TDnetとEDINET#

適時開示情報閲覧サービス(TDnet)#

上場会社が決算や業績修正、新製品、提携などを発表するときは、東証の「TDnet(適時開示情報伝達システム)」を通じて開示することが上場規程で義務付けられています。その内容を誰でも読めるようにしたのが「適時開示情報閲覧サービス」です。JPXの説明によると、TDnetでの開示と同時に掲載され、開示日を含めて31日分(土日祝日を含む)を閲覧できます。それより前の資料は「東証上場会社情報サービス」で過去10年分を確認できます。

サービスの画面では公開日を選んで一覧を表示でき、別途「適時開示情報検索」のページも用意されています。大引け後に「なぜこの銘柄が動いたのか」を調べるとき、最初に見るべき場所です。

EDINET#

EDINETは、金融庁が運営する「金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム」です。有価証券報告書、有価証券届出書、大量保有報告書などを閲覧でき、定期保守を除き24時間365日稼働しています。閲覧サイトは「https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/」です。

TDnetが「いま起きたこと」の速報であるのに対し、EDINETは年に一度の有価証券報告書など、法律で定められた詳細な書類を読む場所です。企業の事業内容や財務の全体像を落ち着いて確認したいときに使い分けると便利です。

証券会社アプリの相場情報と、当ブログの使い方#

ここまでの公式サイトに加えて、ネット証券の口座を持っていれば、各社の取引ツールやアプリで株価・ニュース・ランキングなどの相場情報を見ることができます。たとえば楽天証券や松井証券の公式サイトでは、口座保有者が東洋経済新報社の「会社四季報」を無料で閲覧できると案内されています。提供される情報の範囲や使えるツールは会社ごとに異なるので、口座を選ぶ際の観点のひとつにもなります。

当ブログの「大引けふりかえり」は、毎日の相場を記録するために、この記事で紹介したJPXの統計、日経平均プロフィルの公式値、日本銀行やFRBの公表資料、TDnetの適時開示といった一次情報をもとに書いています。記事中の数字が気になったときは、ぜひ発信元のサイトで原文にあたってみてください。一次情報を自分で確認する習慣がつくと、ニュースの見出しだけに振り回されることが減っていきます。