FOMC(連邦公開市場委員会)とは、米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度)が金融政策を決める会合で、年8回、ほぼ6週間ごとに開かれます。結果の声明は会合2日目の米東部時間14時に発表され、日本時間では夏時間なら翌日午前3時、冬時間なら午前4時にあたります。米国の政策金利は世界の金利やドル円の動きに関係するとされるため、日本株の投資家にとっても見逃せないイベントです。

この記事では、FOMCの仕組みと日本時間での見方、「ドットチャート」などの用語、そして米金利が日本株に関係すると言われる一般的な理屈を、FRBの公式サイトで確認できる範囲で整理します。

FOMCとは何をする会合か#

FRB(Federal Reserve Board)は米国の中央銀行制度の中心で、日本でいう日本銀行にあたります。その中で金融政策を決定する組織がFOMC(Federal Open Market Committee)です。FRBの公式サイトによると、FOMCは次の12名の投票メンバーで構成されます。

  • FRB理事会の理事7名
  • ニューヨーク連邦準備銀行の総裁(常任)
  • 残り11の地区連銀総裁のうち、1年交代で投票権を持つ4名

投票権のない地区連銀総裁も会合に出席し、議論には参加します。議長はFRB理事会の議長が務めます。

FOMCが決めるのは、主にフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標です。FF金利とは、米国の金融機関同士がFRBに預けている資金を翌日物で貸し借りするときの金利で、日本の「無担保コールレート(オーバーナイト物)」にあたる位置づけです。FRBは「FF金利の変化は、他の金利や為替市場、ひいては雇用・生産・物価に波及する」と説明しています。日銀側の仕組みは日銀の金融政策決定会合の記事で解説しています。

年8回の日程と、SEP(経済見通し)が出る回#

FOMCは年8回、それぞれ2日間の日程で開かれます。日程はFRBの公式サイトで前年までに公表されており、2026年と2027年の予定は次のとおりです。アスタリスクが付いた回(年4回)では、「経済見通しの要約(SEP:Summary of Economic Projections)」が声明と同時に公表されます。

2026年SEP2027年SEP
1月27日〜28日―1月26日〜27日―
3月17日〜18日あり3月16日〜17日あり
4月28日〜29日―4月27日〜28日―
6月16日〜17日あり6月8日〜9日あり
7月28日〜29日―7月27日〜28日―
9月15日〜16日あり9月14日〜15日あり
10月27日〜28日―10月26日〜27日―
12月8日〜9日あり12月7日〜8日あり

日付は米国時間です。日本から見ると、結果が出るのは2日目の日付の「翌日未明」になる点に注意してください(詳しくは次の見出しで説明します)。

SEPが出る3月・6月・9月・12月の会合は、金利の決定に加えて「FRBが今後の景気や金利をどう見ているか」が数字で示されるため、他の回より注目度が高いと言われています。

日本時間では何時に出る?夏時間と冬時間の違い#

FRBの公式カレンダーには、通常の会合について「声明は2日目の米東部時間14時に発表し、議長の記者会見は同日14時30分に開始する」と記載されています。

米東部時間は、夏時間(EDT)と冬時間(EST)で日本との時差が1時間変わります。日本時間に直すと次のようになります。

米東部時間夏時間(EDT)の日本時間冬時間(EST)の日本時間
声明発表 14:00翌日 3:00翌日 4:00
議長会見 14:30翌日 3:30翌日 4:30

米国の夏時間はおおむね3月中旬から11月上旬までで、その間は時差が13時間、それ以外の期間は14時間です。2026年の日程でいえば、3月・4月・6月・7月・9月・10月の会合は夏時間、1月・12月の会合は冬時間での発表になります。切り替わりの時期(3月と11月)は特に間違えやすいので、FRBのカレンダーに書かれた「EDT」「EST」の表記を確認する習慣をつけると安心です。

日本株との関係では、FOMCの結果が出るのは日本の取引時間外(未明)です。そのため、結果を受けた最初の反応は米国株式市場と為替市場で起こり、日本の株式市場はその翌朝の寄付きで初めて反応することになります。寄付きの仕組みは東証の取引時間と寄付き・大引けの記事で解説しています。

なお、FOMCの議事要旨(Minutes)は会合の3週間後に公表され、こちらも米東部時間14時の発表です。会合そのものほどではありませんが、議論の中身が分かるため相場の材料になることがあります。

ドットチャートと議長会見#

ドットチャートとは#

SEPが公表される回には、「ドットチャート(Dot Plot)」と呼ばれる図が含まれています。FRBの公式資料では「FOMC参加者の適切な金融政策に関する評価」というタイトルの図で、参加者一人ひとりが「適切だと考えるFF金利の水準」を点(ドット)で示したものです。

2026年9月の資料では18名の参加者が、各年末と「長期(Longer run)」の時点について、FF金利誘導目標の中央値を8分の1ポイント単位で記入しています。点が高い位置に集まっていれば「参加者は先行きの金利が高いと見ている」、低い位置に集まっていれば「金利は下がると見ている」という読み方ができます。

ただし、ドットチャートは「予定表」ではありません。あくまで各参加者が会合時点の情報で考える「適切な水準」であり、その後の経済データで変わっていきます。FRB自身も、見通しは会合時点で利用可能な情報に基づくものだと注記しています。

SEPにはドットチャートのほか、実質GDP成長率、失業率、PCE物価上昇率(総合・コア)の見通しも含まれます。

議長会見#

声明の30分後に始まる議長会見では、冒頭に議長が決定内容と背景を説明し、その後に記者との質疑応答が行われます。声明文は短く表現が抑えられているため、「次の会合で動くのか」「どのデータを重視しているのか」といったニュアンスは会見で初めて見えてくることが多く、会見中に為替や米国株が大きく動く場面もあると言われています。会見の動画と書き起こし(Transcript)は、FRBの公式サイトに掲載されます。

米金利・ドル円・日本株がつながると言われる仕組み#

FOMCの結果が日本株に関係すると言われるのは、主に次のような経路を通じてです。いずれも一般論であり、毎回この通りに動くわけではありません。

  1. 日米の金利差とドル円:米国の金利が上がると、円よりドルで運用したほうが有利になりやすく、円安ドル高の方向に働くとされています。逆に米国の金利が下がると、円高方向に働くとされています。
  2. ドル円と日本企業の業績:円安は輸出企業の採算にプラス、円高はマイナスに働くと一般に言われています。そのため、ドル円の動きが日経平均のような輸出企業の比率が高い指数に影響しやすいとされます。日経平均とTOPIXの違いについては日経平均とTOPIXの違いの記事をご覧ください。
  3. 米国株との連動:FOMCの結果で米国株が大きく動くと、翌朝の日本株もその流れを引き継いで寄り付く傾向があると言われています。
  4. 世界的な資金の流れ:米国の金利が高いと世界の投資資金が米国に向かいやすく、低いと他の市場に流れやすいとされ、日本株もその影響を受けるという見方があります。

ここで大切なのは、「FOMCの翌日に日経平均が必ず動く」と決めつけないことです。結果が事前の予想通りであれば、相場はほとんど反応しないこともあります。逆に、金利の決定自体は予想通りでも、ドットチャートや議長の発言がサプライズになって大きく動くこともあります。ふりかえり記録をつけるときは、「予想と結果の差」と「実際の反応」を切り分けて書いておくと、後から読み返したときに学びが残りやすくなります。

FOMC前後に記録しておきたいポイント#

最後に、ふりかえり帳に書いておくと役立つ項目をまとめます。

  • 会合の日程と、日本時間での発表時刻(夏時間か冬時間か)
  • SEP・ドットチャートが出る回かどうか
  • 決定内容(据え置き・利上げ・利下げ)と、投票の賛否
  • 発表直後のドル円・米国株の動き
  • 翌朝の日経平均・TOPIXの寄付きの反応
  • 議長会見で注目されたキーワード

日程と公表時刻はFRBの公式サイト(federalreserve.gov)の「Meeting calendars and information」ページで確認できます。会合の週は、日本時間の未明に結果が出ることを頭に入れたうえで、翌朝の寄付きを落ち着いて見るのがおすすめです。